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開発ヒストリー

HISTORY 01 スムーズフローポンプ Qシリーズ 新たな扉を開き、タクミナの“スムーズフロー”を広めるために。

開発コンセプトは「いままでのタクミナにないものを生み出す」こと。

原田「Qシリーズは、大学や研究所をメインに使用していただいている製品です。コンパクトで使いやすいことと、安定した量を連続流で供給できる“精度の高さ”を両立させていることが大きな特徴です。例えば大学の化学実験で、ある薬品を毎分30ccずつ連続一定流量で流す反応試験のときに使えるポンプですね。」

中村「従来のタクミナ製品のメインターゲットは、工場などのプロセス施設。製品自体も金属製のガッチリしたものが多かったんです。そんな中で、いままでのタクミナにはなかったものを生み出して、これまでとは違う分野へアプローチしていこうというコンセプトのもとに生まれたのがQシリーズなんですよ。きっかけはお客様の『もうちょっと小さい量で精度がいいポンプが欲しい』というご要望でした。」

原田「これまでにはない分野へと裾野を広げて、タクミナの“スムーズフロー”を広めていくための製品と言っても過言ではないですよね。昨日もある大学の研究室に、Qを紹介してきました。すごくコンパクトでセッティングも簡単なので、よく実機をお持ちして、実際の動きを見てもらっていますね。製品イメージは“小さな家電”なんです。」

中村「発売当時に比べ、これまでとはまったく違った分野のお客様にアプローチできるようになりましたね。新しい扉を開けたという感覚です。」

使いやすさと精度を両立、初心者でも直感的に使える。

久木留「Qの開発にあたって第一に追求したのは“使いやすさ”という部分。新たな分野へと製品を打ち出すということは、これまでポンプを使ったことのない方々に製品を使っていただくということですからね。ポンプに詳しくない人が使っても、ボタンを押すだけで欲しい流量をスムーズに出せる設計にはこだわっています。あとはメンテナンスも、工具をほとんど使わなくても行えるんです。」

中村「電源を入れてお客様にお渡ししたら、もう完全に使い方が分かるぐらいシンプルなんですよ。本当に万人受けします。開発の久木留課長の方では、精度と使いやすさのバランスに苦労されたんですよね。」

久木留「そうですね。Qの開発ではプロトタイプでの市場評価を行って、どんどん改良を加えていったんです。直感的に操作ができることはもちろん、 “このポンプ1台あれば、コンセントに挿してすぐ使える“ことを目標にしました。取扱説明書なんてわざわざ読みたくないという人は多いでしょうし、煩わしさを感じないっていうところがやっぱり大きいですからね。あと研究施設は狭い場所が多いので、コンパクト性も求められているのかなとも感じました。使い勝手の部分をクリアしたポンプはこれまでもいくつか市場にあったのですが、それと“精度”が両立しているかと言われると、そこが難しい部分だったんです。感覚的に使えながらも、精度もキープするというバランスは非常に難しかったですね。」

中村「そういう部分をクリアしているからこそ、使っていただいているお客様はもちろん、展示会でも人気なんですよ。展示ブースで『ちょっと1台貸して欲しい』と声をかけられることもあるほどです。」

これからも進化し続ける製品に。

原田「お客様に実機を使って水を流す様子を見せると、『おお!こういうのが欲しかった!』と言われることが多いんです。ポンプの“精度“は研究データに直結する部分であり、実験の要です。ポンプの性能がダイレクトに結果に影響してくるんですよね。どんなに素晴らしい理論があっても、再現できなければそれを論文にして発表することはできないですから。だからこそ『データがキレイにとれました!』というお声をいただくとうれしいです。『パッと見ただけで使える』『流量の調整がしやすい』といった声もよくいただくのですが、そういった声もすぐに開発チームと共有するようにしています。」

久木留「実際にそういうお客様の声を聞くとすごくうれしいですね。いい意見ばかりではないこともありますが、それがまた製品の進化につながりますから。これまでたくさんのポンプを開発してきましたが、いままでで最も営業から反響がある製品がQなんですよね。どこの営業拠点に行っても『売りやすい』と言ってもらえます。」

中村「製品を通じて以前よりもお客様の意見や要望がいろいろと入ってくるようになっています。そして、日々開発チームが改良を加えたり、ラインナップを増やしたりと、今後も開発がずっと続いていきます。そういう観点からも非常にいい製品になったなと思うんです。タクミナにとっていいモデルケースにもなりました。これからももっと発展し続けるといいですね。」